Happy-hungry‐Labo  ハピハグラボ

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えんぴつ

友達と暗くなるまで遊んで
泥だらけになって、破れたズボン。

小さなため息ついて
「ご飯食べな」と言った後、
微笑みながら手洗いして、
破れた他のズボンから布取って
継ぎ剥いでくれた。

できるだけ、目立たないように。

そうか。クリスマスが近付くと思いだすのか。
サンタクロースに何をお願いするのか聞かれても
「何もお願いしないよ。」。

迷惑、かけたくなかったから。

クリスマスイブの夜には
ご飯たくさん炊いて
野菜とツナでケーキみたいにしてくれて

クリマスイブの夜はたのしくて
たのしくて たのしくて
疲れて眠ってしまった。

ありがとう。ほんとに。
ありがとう。

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冬が近づいてるよ

サッカーして、試合に出て
シューズに穴が空いてしまって

新しいのは、すぐに買えないから
色んな知り合いに、電話してくれて

「次は勝つまで帰って来るなよ」と
怒ってたのかな?笑ってたのかな?

サッカーを一度辞めてしまった時も
もう一度始めた時も
何も言わなかった。
ただただ、ユニフォームを洗ってくれて

ごめんね。半端で。
ごめんね。

そうか。冬が近付くと思いだすのか。
サンタクロースに手紙を書くように言われたから
「寒くないですか?お気を付けて。」

風邪をひいて欲しくなかったから。

クリスマスの朝、枕元には
いつも決まって、えんぴつがおいてあって

眠たい目をこすりながら
「ありがとう、サンタさん」毎年の事。

ご飯を作りながら、
笑ってたのかな?泣いていたのかな?

クリスマスの朝はすごくうれしくて
うれしくて うれしくて
なぜか泣いてしまった。

ありがとう。大事にするよ。
ありがとう。


あるとき、えんぴつが届かなくなって
「何もいらないよ。ありがとう。」
一人でつぶやいた。

大事な試験とか、大切な手紙
ここぞと言う時は使った。

上手く行かなくて 成功しなくて
こけて 倒れて またこけて
折れても折れても 
「まだ大丈夫」と笑ってくれる。

「間違っても字はしっかり書け!」
えんぴつが僕に話しかけた。

勇気をくれたえんぴつが
もうすぐなくなるよ
でももう大丈夫
最後のひとかけらは使わずに

ありがとう。
ありがとう。