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味昆布~出汁昆布からの昆布料理~初心者(40代お父さん)の料理にチャレンジ!「さしすせそ」の意味を化学的に。


はじめに

昆布、削り節、煮干し・・・・色んなもので美味しい出汁を取ったら、その中でも出汁を取るのに使った「昆布」だけは残してはいかがでしょうか。

昆布は、出汁として旨み以外にカルシウムや鉄分のミネラル、水溶性食物繊維であるフコイダンと言う免疫力を高める成分等を摂取出来ます。ミネラルの中でも、特にヨウ素(ヨード)は、主に海藻から摂取できる栄養成分ですが、殺菌作用により喉の病気に効果があることや、成長促進、新陳代謝の調整など、実は、非常に重要な必須成分です。それを毎日の昆布の出汁として摂取すると非常に効率的且つ効果的ですよね。摂りすぎると良くないなんて話も有りますが、普通に毎日食べて摂取する分には全く問題ないでしょう。

さらに出汁を取った後の出汁昆布も美味しく食べることができれば、昆布の体に良い成分を残さず全部摂取することができるのでお勧めです。

さて、出汁の取り方やお勧め昆布は、以前書いた記事をページの最後にリンクしているので宜しければそちらもご覧下さい。ここでは、出汁を取った後に残る出汁昆布の使い方等について紹介します。

↓出汁の簡単な取り方とお勧め昆布です↓。
papas-colour.hatenablog.com

papas-colour.hatenablog.com

1.保存方法

一回出汁を取った程度の量の昆布では、さすがに「昆布料理」をつくるのは難しいです。何か別の料理への「添え物」にするにしても、ある程度昆布の量があった方が良いでしょう。何より昆布料理は、それなりに時間と手間をかけた方が美味しいですし、保存食にもなる場合が多いですので、まずは出汁を取る度に保存します。

味昆布を作る場合であれば、1.5cm角程度に予め切り、それを容器に入れて冷凍保存します。冷凍前に調理用のサイズに切っておくことで、調理する時に、冷凍のままフライパンや鍋に入れることができます。

2.味昆布を作ろう!

昆布で出汁を取り始めると、まず一番初めに作りたくなるのが味昆布。そんなに難しくないのですが、せっかくなので何かしらの理論を持って取り組むと、より料理が楽しくなります。ただ、ここで紹介する料理はガチで料理を勉強したい方には余りにも初歩的でつまらないものかもしれません。ただ、筆者のように40代で料理をしてみようとか、これから料理をしてみよとか言う方の安心材料になればと思います。そこで・・・・

飲みトーーーーク!

お酒飲む時のネタのひとつにでもなればと思いますよ。

3.「さしすせそ」と「酒」

どなたでも、一度は聞いたことがあると思いますが、料理を作る時の基本として、調味料を入れる順番で「さしすせそ」を守ることというのがあります。これはなぜなんでしょう?ちなみに「さ:砂糖(さとう)、し:塩(しお)、す:酢(す)、せ:醤油(しょうゆ)、そ:味噌(みそ)」ですね。あと、料理酒というのがあるくらい、料理にはお酒を使いますが、これは何のために使うのでしょうか。ま、味昆布を作る時の手順を肴に、酒でも飲みながら、ゆっくりやりましょうよ・・・・

~まずはお酒で炊く~味昆布作りを題材に

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味昆布 まずはお酒で炊く

冷凍保存していた昆布を、凍ったまま小鍋やフライパンに入れてしまって下さい。凍ったままで構いません。そこにお酒を振りかけましょう。量は・・・適当で構いません。お父さんが思う「ダイナミックな量」、つまり沢山入れて貰ってかまいません。使うお酒ですが、お勧めは「塩分が少なめのお酒」、特に日本酒です。出汁昆布として使った後なので、元々昆布が持っていた塩分も、出汁を取った時に昆布からは出ているので、この時点で使っている昆布には塩分がほとんど含まれていません。後で詳しく書きますが、この、「これから炊いていきましょうか」と言う最初のタイミングで、お酒が塩分を持って鍋に入るのはあまり好ましくありません。一般的に「料理酒」として販売されているお酒は、塩を2~3%加えることで飲めなくすることで酒税を外れて価格を下げるということをしています。「3%」は略海水であることを考えると・・・塩が多すぎるのであまり使わない方が良いかもしれませんね。お父さんが飲んでいる「お酒」を使った方がおいしくなります。

お酒を入れて、火にかけると、冷凍昆布が溶けてそこから水が出て、ひたひたになります。この時、ひたひたにならないくらい水が少なければ、是非「お酒を追加して」ひたひたにして下さい。しばらくすると氷が溶けて、沸騰し始めますが、この時お酒に含まれるアルコールと水・・・?「お酒=アルコールでは?」と思われた方、それは間違いです。お酒の中でも日本酒は、アルコールを22%未満含むお酒。残りは大部分が水で、その他「残り極僅かの内の大部分が旨み」です。ややこしいですが、お酒に旨みの成分は本当に少ししか入っていいなのですが、その極僅かの旨みに、皆さん酔いしれているわけです。

さて、話を戻しますと、アルコールと言うのは、水とは違います。(当たり前か・・。)食物の中には、水とは何の化学反応もしませんが、アルコールとは反応する成分が多々入っています。その中の一つが「臭みの成分」。この臭みの成分は、不思議なことに、水+熱で、食物から追い出されますが、分解することはできません。あの、「アク」を聞いたことや見た事があると思いますが、あの泡のようなアクも実はこの一つです。そのような食物の臭み成分は、アルコール+熱による反応で、分解へと進めることが可能です。この臭み取りをやらずに、その後の調理に進めてしまうと、どうしても調味料を多く入れて味・香りを濃くして臭みを消しにかかることになります。そうすると、素材の味を引き出しにくくなってしまうわけです。

次に、お酒で昆布を炊くことの一番の目的は「柔らかくすること」です。昆布の食物繊維は、熱をかけると変性して内部から水分を追い出し、硬くなっていきます。お酒を加えて熱することで、食物は保湿保水された状態で熱を加えることが可能です。つまり、まずお酒をたっぷり加えてから熱し始め、ある程度臭み取りのための沸騰をさせたあと、お酒が残ったまま調味料を加え始め、必要な全ての調味料を加えて調理を終えたあと、料理の中へのお酒の残し具合を好みで決めて、料理を完成させると、臭みが消えた柔らかい味昆布を作ることができます。これは、魚やお肉の煮込み料理を作る時にも効果的です。さらに、先ほど少しだけお伝えした、お酒の旨み。これはグルタミン酸で、昆布の旨みであるイノシン酸と合わせることで絶妙に味に深みを出すことが出来ます。

さ:砂糖(さとう)~甘み色々で炊く~

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味昆布 甘み色々で炊く

お酒での前処理が終わったら、一番初めに砂糖を加えましょう。主成分はスクロース。ここでもやはり「主成分」と言う話し方をします。そして、主成分以外の成分も非常に重要であり、ハピハグラボ的に言えば、分析器で検出できな成分を全て不純物として扱いやすい教科書の化学では料理の味を良くすることが難しいでしょうということになります。ま、主成分以外の成分の方がむしろ重要なので、上白糖、グラニュー糖、きび砂糖等、これらの砂糖は使い分けて頂きたい。私は、甘味料を精製して上白糖を作る時の副生成物である三温糖を使うのが好きです。理由は、精製した上白糖は純度は高いですが、実は甘味成分以外の旨味成分も三温糖は含んでいるからです。さらに、この時点で、「みりん」も加えるのをお勧めします。主成分のスクロースを代表とした「甘み成分」はこの後に加える「辛み成分」に比べて、その成分(化学で「分子」と学んだもの)が大きいです。つまり、先に辛み成分のような小さな成分を昆布にしみ込ませてしまうと、その後に大きな甘み成分を食物に染み込ませることは大変困難になります。また、この甘み成分に、砂糖、みりん等複数種つかうことで、味に複雑さを持たせることができ、深みが出ます。例えば「甘みを砂糖だけ」とか、「辛みを醤油だけ」とすると、砂糖だけの味や醤油だけの味で存分に楽しみたい場合には良いですが、素材の味を活かしたり、複雑な味を楽しむ時には物足りないということになるでしょう。甘味調味料を加えたあとは、食材に染み込ませるためにしばらくグツグツと炊いて下さい。

し:塩(しお)~辛味について考える~

一般的に言えば、甘味の次は、塩による辛味なのですが、塩の主成分「塩化ナトリウム:NaCl」は、分子・・・・ですらなく、水溶けてナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)、イオンにまで分解するわけで、同当然これは甘味(糖類)よりもかなり小さい。実は全ての調味料で一番小さいです。これを甘味の直後に加えると・・・・直ぐに食材に染み込んで、食材から水分を追い出します。そしてそれ以降の加熱は、基本的に食材を硬くしていきますし、塩が入った後には他の調味料が入る余地はなく、塩は最後に加えるべきだとハピハグラボでは考えています。つまり、味昆布の場合、「そ:味噌」は使いませんので、「し:塩」は、「す」と「せ」の後に入れるべきだと思います。

す:酢(す)

味昆布には、隠し味として使うのがお勧めです。今、甘味の染み込んだ昆布が有り、ここに酢を少し加える・・・・このとき、一度火を止めてから酢をほんの少し加えて、よく混ぜた後に、再び火にかけると、酢の主成分「酢酸」や一緒に含まれる沸点の低い成分が、昆布に染み込む前に、蒸発して飛んで出てしまうという珍事を避けることが出来ます。

せ:醤油(しょうゆ)

せうゆ➡しょうゆ。昭和生まれのおじさんてすら、何回聞いても違和感しか有りませんが。味昆布を作る場合の醤油は、甘味調味料の後に濃口醤油を加えて、仕上げの塩の前に、薄口醤油を加えるとコクと香りを兼ね備えたパーフェクト味昆布になります(実は筆者は略全ての料理がこの順です)。特に甘味の後に加える濃口醤油は、「たまり醤油」が良いでしょう。普通の濃口醤油ですら、約15%の塩を含んでいます。薄口醤油は濃口醤油に比べて更に塩を含んでいて、この時点ではまだ塩を加えたくないので、濃口醤油、たまり醤油をお勧めします。特にたまり醤油は大豆100%を、原料とし(普通の醤油は大豆と小麦)、塩分が最も少ない醤油で、代わりに旨みが濃厚に凝縮されています。今、昆布には甘味だけが染み込んでいて、そこに隠し味として酢が少し。食材と甘味調味料が、メイラード反応を引き起こし、味のコクと香ばしさをほんのりと生み出しているところに、すでに製造過程でメイラード反応を完了した濃厚なたまり醤油を加える。食材に染み込んでまだメイラード反応をしていない甘味とたまり醤油の濃厚な旨み成分が更にメイラード反応を行ない、ますますコクと香ばしさは高まるばかり!

すみません。興奮してしまいました・・・・

つまり、ここまでの過程で、「昆布で出汁を取る」→「出汁を味昆布用に切る」→「料理ができるくらいの昆布の量になるまで冷凍保存」→「鍋に昆布とお酒をたっぷり。→加熱することで昆布を柔らかく。味を染み込ませる準備。」→「さ:砂糖。甘みを加えて炊く。甘みを昆布に染み込ませる。」→「す:酢。隠し味の酸味。火を止めてから。」→「せ:醤油。辛み・・というよりは、醤油の旨みを昆布に染み込ませる。この時点で水分はかなり少なくなっているので、焦げ付かないように注意して。」→水分がなくなっているので、調味料達にはとろみが出ています。

ここで!

薄口しょうゆ。これはたまり醤油とは違う種の辛み加えることと、風味を加えます。最後に、「し:塩(しお)」この時、ここまでの手順を上に書いた順で行うと、少しの塩で、すごく辛みを感じる味になっています。煮詰めて水気が略なくなるまで煮詰めましょう。

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味昆布 醤油と塩気で煮詰める

ということで、ハピハグラボ的には、味昆布を作る時の調味料の順番は

さ・す・せ・し・・・

なんのこっちゃ良く分からなくなってしまいました。すみません。

4.水が重要なので

料理は水が重要なので、以下も参照下さい。
papas-colour.hatenablog.com




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